大切にしたいこと

私の仕事は、インテリアコーディネーターです。

今では随分仕事として認知され、女性の憧れの職業の一つになったと思いますが、私が資格取得した24年前には、業界のオジサン達から「インテリアこーでねーか?」と揶揄されたもんです。


そもそも何でこの仕事を選んだんだっけなー、と振り返ると、大卒で就職活動(就活)の真っ最中、バブル崩壊後の女性に対する会社の態度があまりにも露骨で、女性の場合は諸々の事情により採用できません、と言う各社の態度は資料請求すら梨の礫。ある会社からは、実家から通わない女子の採用はありません、と言われ、理由がよくわからない!と思ったのをよく覚えています。就活で宿泊費会社負担とか、研修と称して旅行とか、バブル期の就活の様子を聞いていたから尚更、天と地の開きを経験し、社会に対する疑問がふつふつと湧いてきたのでした。

農学部卒だから、食品、製薬、化学系など、これまでの学部の就職実績に倣って会社を選んでいたけれど、ぜーんぶリセットして、私は女性だからこそ求められる仕事をし、社会の中で自立するんだと考え直し、そのための仕事を探し、見つけ出したのがインテリアコーディネーターという職業でした。これは将来女性の能力が求められる仕事になる、と直感的に思って、その場で私はインテリアコーディネーターになると決め、新卒・インテリアコーディネーター資格取得予定者(インテリアコーディネーター受験資格が当時24歳以上となっていたので大卒当時年齢的に受験できなかった。現在年齢不問になっている。)の求人情報を探し出し、仙台の小さなカーテン屋さんに首尾よく就職しました。今思えば、何て理解ある心の広い社長だったのかと、感謝しかありません。全く畑違いのところから、何の専門の勉強もしていない、能力的に全く未知で、とりあえずやる気だけはあるが、若干反社会的な精神を持って社会に飛び出した人間を会社に迎え入れてくれたのだから。この会社で初めて「仕事」を経験し、それがその後の私の仕事のベースになっています。


この女性だから求められる能力=私にしかできないこと

というのが私にとって最も大切にしたいことです。


特に住宅の場合、女性が主体的に居心地よい空間をつくることが多い。女性の感覚は、女性にしかわからない部分が多いから、提案する私が女性で在ること自体が価値提供になります。子どものいる家族が生活する場合には、子育てと、子どもの成長に合わせた暮らし方の提案が要素として加わるし、近頃は自宅で女性がサロンを開いたり、自分ができる+αのことを生活に取り入れる案件も増えていて、子育てをしながらフリーランスで自宅を拠点に仕事をする、という感覚も生きてきます。今は、コロナの影響でテレワークが推奨され、男性も自宅で仕事をするという要素がプラスされているし、今までの「書斎」という形だけのスぺースではなく、自宅で実際仕事をする場を作ることが必要になってきました。人の暮らし方は時代と共に常に変化するけど、居心地の良さを求めるというインテリアのテーマは永遠に変わらないと思います。

<photo/ 自宅ワークスペース 企画:Maisha 製作:La Vida 施工:樹・夢工房


私がインテリアコーディネーターとして大切にしたい住まいの条件は、

・ひとが安心できる空間

・家族がそれぞれに個を表現できる自由

・子どもが豊かに育つ

・家族のコミュニケーション

・ご近所とのコミュニケーションと社会との調和

・住まう人の価値観やオリジナリティ

・日々わくわくする何か

・美しく機能的なデザイン

・自然な暮らし

・地球と人の暮らしの持続可能性

・トータルコスト


人として女性として48年生活し、子育てを17年経験し、日々家事をやり、家庭料理を作り続け、暮らすこと自体が経験の積み重ねと考えて、住まいと暮らしの在り方に24年向き合ってきたからこそ、その中で培ってきた女性としての生活感覚を大切に、この先もインテリアコーディネーターとして一人でも多くの人のお役に立てる、私でいようと思います。

よろこびの合いの手をつくる

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